目次
■うめはら鍼灸院の紹介■
うつ病の鍼灸治療の症例
27歳・女性・工場アルバイト
完全ではありませんがだいぶ元気になったような気がします。
高校を卒業して、社会人になってから事務職につきましたが、上司に注意される日々が続き、 私自身もなぜ同じミスを繰り返してしまうのかわかりませんでしたが、何とか仕事に行けていました。 入社3年目を迎えたころ、新入社員の教育をまかされたのが重荷だったのか、全くやる気が起きなくなり、出勤できなくなりました。 1週間休んだ頃に、家族からも心配され、病院にいくとうつ病と診断されました。 医師からはまずは頑張らず、すべてのことをやめて安静にするようにという指示でした。 会社にそれを伝え、抗うつ薬、抗不安薬など内服薬3種類を飲みながら休養をとることにしました。 薬は効いていたのですが、仕事に復帰することを考えるだけで症状が悪化し、動悸、手の震えや全身の倦怠感など がありました。 結局半年間、会社を休んだのち、会社はやめることになりました。 その後、調子のよい時を見計らって、短時間のアルバイトなど経験しましたが、体調が悪いと休みがちになる傾向が続きました。 心理カウンセリングやサプリメント、運動などできることはやってみましたが、元気なころの自分には戻れませんでした。 うつ病と診断されてから8年経過して、もう治ることはないとあきらめていましたが、 母親の勧めで、うめはら鍼灸院さんに伺いました。 ゆっくりとお話を聞いて下さったのですが、、1回目は話が長くなりすぎて 「はり治療は次回から始めましょう」となりました。 2回目からはり治療をしてもらいました。 「うつ病を直接治すのではなく、動悸や全身の倦怠感などをまず改善していきましょう」と言われました。 はり治療はぜんぜん痛くないし、刺さってるかどうか分からないときの方が多いのですが、 不思議と眠くなります。リラックスしているのを感じました。 治療の途中もゆっくりお話を聞いてもらえて心理カウンセリングを受けているような感じでした。 10回目くらいのはり治療で、動悸や全身の倦怠感はかなり改善しました。 調子のいい日が続けば薬を減らしていくことも考えたいと思っています。 (まだ減らせていません) 現在は、アルバイトを休むこともなくなり、完全ではありませんがだいぶ元気になったような気がします。 完全に治るとは思っていませんが、何とか普通の生活ができるレベルを維持したいと思っています。 今後も月に1回くらいのペースで通ってみます。
うめはら鍼灸院の方針
自律神経の調整
身体症状に対する施術
うつ病はこころの病気ですが、多くの身体症状が伴います。
目次
このページにうつ病の情報をまとめました。情報量が多いので、必要な箇所だけお読みください。
※クリックするとその場所に移動します。
うつ病とは
うつ病の症状
<抑うつ気分>
ゆううつで悲しい気持ちになり、今にも泣き出したくなったり、何もかもばかばかしいような気持ちになります。また、希望を持つことができず、落ち込んでいる状態が続きますが、ちょっとしたことで怒りやすくなるなど、精神的に不安定な状態になります。
<不安・焦燥>
何もない時に急に不安になる、何気ない会話や行動でさえ不安に思うようになります。また、じっとしていることや、我慢することができなくなり、焦燥感を常に味わうような精神状態になります。この不安や焦りからイライラしてしまい、他人や物にあたってしまうこともあります。
<希死念慮>
抑うつ気分や不安・焦燥などの辛い気持ちから楽になりたい一心で、「消えてしまいたい」「誰も知らない遠くへ行きたい」と考えるようになります。
<興味、喜びの喪失>
何にも興味を持てなくなり、例えば今まで楽しんでいた趣味なども楽しさを感じられなくなります。
<意欲の低下>
あらゆることがおっくうになり、行動への積極性がなくなります。疲労や倦怠感を感じるようになり、すべての行動に時間がかかるようになります。
<罪悪感>
自分に全く関係のない事柄に罪悪感を感じたり、自分が生きていることに対して罪悪感を感じたりするようになります。
<思考力の低下>
思考力や集中力が低下し、人との会話、読んだ本の内容を忘れるなど、記憶力の低下が起こります。また、あらゆる判断が難しくなるなど、判断力の低下もみられます。
<睡眠障害>
うつ病の際の顕著な症状の一つとして、睡眠障害が挙げられます。眠るべき時には眠れず、日中の活動中などに異様な眠気を感じ、日常生活に支障をきたすこともあります。
<食欲の減退・増加>
うつ病になっている状態では、精神的に不安定になっていることから、食欲がなくなってしまうことがあります。また、その反対に食べることで心理的な不安を解消しようと、過食症のように食欲が増加してしまうこともあります。
<動悸・息が苦しくなる>
何もない時に動悸が起こったり、突然息ができないような感覚になり、苦しくなることがあります。自律神経に起因する症状とされています。
<体の痛み、体が重い>
実際の痛みの原因がない場合でも、身体的に痛みを感じることがあります。また、痛みではなく、体が異様に重く感じてしまうこともあります。
うつ病の原因
うつ病の原因は、そのほとんどが過度なストレスを抱えてしまうことであるとされています。下記のストレスが、複合的に蓄積していくことにより、自身の中でコントロールできなくなり、自律神経をはじめとした神経の情報伝達物資のバランスが崩れてしまいます。そのため、うつ病の原因を考える際には、思い当たることがあっても、その事柄だけに断定してしまうのではなく、日常生活を振り返りながら様々な原因の可能性を複合的に考えていくことが大切です。
うつ病の原因となるストレス例
<精神的ストレス>
人間関係や、仕事、日々の悩みなど、精神的に感じるストレスです。「嫌だ」という感覚がこのストレスの原因となり、精神的ストレスが蓄積することで、うつ病や自律神経失調症の原因になったり、さらに症状を悪化させたりします。
<構造的ストレス>
猫背や特殊な姿勢などで、体の筋肉や背骨、骨盤などが歪むことによって、無意識のうちにストレスが蓄積します。
<化学的ストレス>
一定の栄養素の過剰摂取や、不足により、ストレスが蓄積することがあります。例えば、不安を起こしやすい栄養素を摂取し過ぎれば自律神経の乱れにつながりますし、気持ちを落ち着ける栄養素を摂取することでストレスを減退させることもできるように、栄養素はストレスをコントロールする要因の一つとされています。
<温度や湿度によるストレス>
ストレスの蓄積には温度や湿度も関係しています。温かい時に気持ちが落ち着くのは、心地良い暖かさが自律神経の働きを整えているからとも言われています。逆に寒すぎたり暑すぎたりすると、ストレスが蓄積し、神経の働きを乱してしまいます。
うつ病の一般的な検査法
うつ病で最も重要とされている検査は問診です。血液検査や尿検査などの一般的な検査の数値ではうつ病は判断できないため、問診や日頃の生活の中からうつ病かどうか判断できる材料を探します。また、病院で問診を受けるのが最も正確ですが、うつ病は自己チェックなどを行うことにより、可能性があるかどうかを判断することが参考になります。
<精神科医による診察・問診>
うつ病の専門家である精神科医がうつ病の専門家として診察を行い、うつ病という「病気」に当てはまるのかを診断します。診断の際の代表的な所見は次のようなものがあります。
主訴(一番困っている事)
経過(受信までの症状の流れ)?
性格や考え方
既往歴(これまでにかかった病気)
生育歴(生まれた時や幼少期の情報)
学歴・職歴
表情、態度、服装、身だしなみなど
<うつ病の診断基準>
※患者自身が一人で行うのではなく、専門医のもとで行います。最も有名な診断基準のひとつに「DSM-5」があります。アメリカ精神医学会(APA)が発行している診断基準です。
□抑うつ気分
□興味または喜びの著しい低下
□食欲の増加または減少、体重の増加または減少(1か月で体重の5%以上の変化)
□不眠または過眠
□強い焦燥感または運動の静止
□疲労感または気力が低下する
□無価値感、または過剰・不適切な罪責感
□思考力や集中力が低下する
□死について繰り返し考える、自殺を計画するなど
これらの5つ以上が2週間のあいだほとんど毎日存在し、またそれによって社会的・職業的に障害を引き起こしている場合、うつ病と診断される
(以上、DSM-5 うつ病の診断基準より)
<心理検査>
うつ病はこころの病気ですので、判別がしづらい場合に心理検査が行われます。ここでは代表的なものを紹介します。
<HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)>
患者さんに医師や臨床心理士などが質問していく形式で行われます(20分程度)。質問の結果を元に点数化されます。
<CES-D>
うつ病を簡易チェックに適しています。患者さんが一人ででき、自宅やオンライン上などでも行うことができます。5分ほどですが、90%以上の確率で診断することができると言われます。
<その他の心理検査>
QIDS-J、MADRS、SDS、ツング自己評価うつ病尺度などがあります。
<光トポグラフィー検査(NIRS)>
その他診断に用いられる検査として、光トポグラフィー検査(NIRS)があります。近赤外線を用いて脳の前頭葉の血流を測定します。
・正常パターン
・うつ病パターン
・双極性障害(躁うつ病)パターン
・統合失調症パターン
の4種類の血流パターンがあります。
<うつ病の自己チェック>
□ 体がだるい、疲れやすい
□ うるさいとイライラする
□ 音楽が騒音にしか聞こえない
□ 気持ちがずっと落ち込んでいる
□ 朝、起きようとすると動悸がする
□ 日中を通して無気力な時間が長い
□ 会話や議論がおっくうだ
□ 肩が凝っている
□ 頭痛が頻繁に起こる
□ 夜眠れず、日中には眠気を感じる
□ ちょっとしたミスが多い
□ 食事が進まない、あるいは、食べすぎる
□ 息が苦しくなる時がある
□ 人生がつまらない
□ 誰も知らないところへ行ってみたい
□ 本来の自分とは違う気がする
以上の項目で、当てはまるものが多いほどうつ病の可能性が高くなります。もし、うつ病の可能性があるようであれば、早期に病院に行くことが大切です。
うつ病の一般的な治療法
うつ病の治療は、「投薬治療」と「療養」、「精神療法」が一般的なものです。
<投薬治療>
「抗うつ剤」を処方して、精神の異常を修正するよう働きかけます。現在、主に使用されているのは5種類の薬があり、どれも神経の情報伝達物質のバランスの乱れを調整する作用のものとなります。ただし、投薬だけ、療養だけということでは効果が薄く、将来的に再発する可能性があります。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
[パキシル(パロキセチン)、ジェイゾロフト(セルトラリン)、デプロメール、ルボックス(フルボキサミン)など]
セロトニンの量を調節する器官(セロトニントランスポーター)に作用し、セロトニンの量を調整するように働きます。不安症状をおさえる作用が強くあります。副作用は吐き気やむかつき、便秘、下痢などの消化器系の副作用があらわれることがありますが。比較的軽く、1~2週間で自然に消えることが多い報告があります。気になるときは早めに医師に相談しましょう。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
[トレドミン(ミルナシプラン)、サインバルタ(デュロキセチン)など]
脳内神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。セロトニンとノルアドレナリンの両方に作用します。
ノルアドレナリン作動性、特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
[レメロン、リフレックス(ミルタザピン)など]
SSRI、SNRIと同じ種類の抗うつ薬ですが、SSRI、SNRIとは異なる作用があり、同等の効果があります。
三環系抗うつ薬
[トフラニール(イミプラミン)、トリプタノール(アミトリプチリン)、アナフラニール(クロミプラミン)など]
うつ病のための薬です。副作用として便秘、尿が出にくい、口が渇くなどがあらわれることがあります。神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑制してしまうためです。
四環系抗うつ薬
[テトラミド(ミアンセリン)、テシプール(セチプチリン)、ルジオミール(マプロチリン)など]
アセチルコリンへの作用を少なくして、三環系抗うつ薬の副作用をやわらげるために開発されました。
抗不安薬
[デパス(エチゾラム)、リーゼ(クロチアゼパム)など]
心を安定させる脳内物質に「セロトニン」があります。セロトニンは本来、脳内に一定の量があるのですが、セロトニンが何らかの理由で減少すると、不安が強くなります。その際にセロトニンの量を増やすためには、ベンゾジアゼピン系という抗不安薬が一般的です。不安が強い場合や、不眠にも使われます。この抗不安薬は、抗うつ薬とは区別されます。
<投薬以外の治療法>
ストレスから離れる
例えば、仕事が原因になっているのであれば、治るまで仕事を休む、あるいは職場を変えるなどの処置が必要です。うつ病患者の方には責任感の強い方も多く、「仕事は休めない」「やめられない」など、なかなか休みを取ったり、仕事をやめたりする決断ができない場合も多くなります。しかし、ストレスの原因を絶たないままには、治療は進まないため、一度休養する期間を作らなければなりません。期間や程度は症状によって異なりますが、周囲の人の理解や配慮も必要となります。
入院する
仕事から離れ、家で休養していても症状がひどすぎる場合や、女性であれば、家事や子育てをしているため、家にいてもなかなか心が休まらないこともあります。そうした場合には、入院するということも一つの手段として考える必要があります。
柔軟な思考パターンを身に付ける努力
症状が軽くなったタイミングでさらに改善を目指す場合や、将来の再発を防ぐためには、うつ病患者の方が潜在的に持っている「否定的な思考パターン」を変えていく必要があります。特によく用いられるのは「認知行動療法」という精神療法で、様々な事柄を医師とのカウンセリングの中で客観的に整理していき、最終的には「より柔軟な思考パターン」を身につけていくというものです。
心理カウンセリング
臨床心理士による心理カウンセリングも一般的です。相性のよい信頼できるカウンセラーとの出会いは非常に心強いものとなるでしょう。
※まとめ・・・一人で考え込まない
うつ病になっている時には、不安や焦りという気持ちが邪魔をして、周囲の人からのアドバイスを聞かなくなることもありますが、一人で考え込み、ネット検索の情報を信じ込む、探し続けるという場面も多くみられます。家族や友人などの助言が響かない場合には、医師からの診断やアドバイスということであれば素直に聞き入れることも多いため、重要なとされています。 信頼できる医師や専門家、また家族・友人関係などは、ときにお薬よりも効果を発揮することがあります。 一人で考え込む特徴があるのですが、一人で考え込むことは良くない傾向があります。相談しやすいよき理解者が一人でもいると回復が早まるでしょう。
うつ病のセルフケア
うつ病の治療に対して、病院での適切な治療法に加え、少し調子のよい時をみはからい自分でできるセルフケアをすることが重要です。症状の早期改善に加え、改善したあとに再発を予防するためにも重要となります。しかし、間違ったセルフケアでは意味がありませんので、医師や専門家に相談できる環境も必要です。
<セルフケアの種類>
心と身体に作用するセルフケアは数えきれないくらいの種類があります。悪化する恐れがないことを前提に、3週間ほど試して自分にあうかみきわめるといいでしょう。
食事療法(トリプトファン)
こころの安心感を作り出す脳内物質「セロトニン」を増やすためには、セロトニンの材料(前駆物質)となる「トリプトファン」という成分を
摂ることが知られています。トリプトファンを含む食べ物はこちらです。
食材100グラムあたりのトリプトファンの量(参考値)
・肉類 180~230mg
・魚 200mg
・チーズ 280㎎
・納豆 240㎎
・油揚げ 250㎎
・アーモンド 180㎎
・ごま 350㎎
※偏食、食べ過ぎは禁物です。
有酸素運動
心拍数を高め、酸素と栄養が脳に十分に送られます。ドーパミンやアドレナリンなど脳内物質にも好影響があります。
リラックス作用や気分転換になります。逆に、室内で考え込んで運動をしないことは悪循環となります。
とはいえ、調子の悪いときに無理に行う必要はありません。特に夕方など、調子がよいときにはなるべく運動をこころがけましょう。
運動の例
・インターバルウォーキング&散歩
30秒ゆったり歩き、30秒早歩き を5分間繰り返す。その後、ゆったりと散歩を10分行う
・腕ふり体操(タテ)
気功で有名な体操で、「スワイショウ」という体操の一部を切り取ったものです。足を肩幅に広げて立ち、腕を肩の高さから下に落とし、振り子のように腕を振ります。脱力して自然な反動で行うことがポイントです。3分間行います。やめ方が重要です。3分間腕をリズムよく振った後は、振り子の幅を徐々に小さくしていきます。ほかの人から見ると、ほとんど止まっているように見えても、自分の感覚としてはまだ少し揺れているような感覚を繊細に味わいます。この時に脳の視床下部や脳下垂体の状態がよくなり、リラックス作用があります。このような一定のリズムがある運動は、脳が安心し、自律神経がリラックスします。胎児がお母さんの心音で安心するのと同じメカニズムがあると言われます。
瞑想、座禅
大変効果が高いのですが、難易度は高めです。修業を積んだ高僧ならともかく、一般人(凡人)が瞑想しようとしても雑念に埋め尽くされてしまうことのほうが多いでしょう。とくに自律神経失調症やうつ病傾向のある方であればなおさらです。一人で行わず適切な指導者とともにグループで行うことが推奨されます。
スキンシップ
手をつなぐ、頭をなでるなど、肌が触れ合うことによりリラックス作用があります。動物のグルーミングなどもその効果があるとされています。脳内ではオキシトシンというホルモンが分泌され、リラックスします。おもしろいことにスキンシップをされた側だけでなく、スキンシップをした側もオキシトシンが増加します。
誰かの世話をやく
子供の世話やペットの世話をすると、上記のようにオキシトシンが分泌され安心感が増します。相手を想いながら誕生日プレゼントを選ぶときなどもオキシトシンは分泌されています。「世話をする」という行為が脳内に好影響をあたえるようにできているのです。
読書療法
読書をして知識・情報を集めることも高揚感があり知識を得ることで安心感を増加します。しかし、現代では情報があふれていますので、信頼できる情報源を採用して下さい。
まとめ
これらの他にも、無数のセルフケアがあります。特殊なセルフケアも良いですが、よい生活習慣も重要です。様々なバランスを考えて、生活に取り入れていきましょう。うめはら鍼灸院では、患者様ごとに2つか3つのセルフケアをお伝えして、継続できているか、効果は出ているかなどを確認しながら進めていきます。
うつ病は病院の何科にいけばいい?
うつ病は精神科・心療内科が適切です。地域で信頼のおける精神科・心療内科は多数の患者さんで予約が取りづらいこともあります。 緊急的にすぐ診てもらえる精神科・心療内科も必要ですし、あるいはじっくりと長期にわたって通える精神科・心療内科も必要です。 両方が選択できる環境が望ましいでしょう。
岐阜県内のうつ病を診てもらえる総合病院リスト
精神科・精神神経科・診療内科が主な診療科となります。
◆岐阜大学医学部附属病院(精神神経科)
岐阜県岐阜市柳戸1-1
058-230-6000
◆岐阜市民病院(精神科)
岐阜県岐阜市鹿島町7丁目1
058-251-1101
◆岐阜県総合医療センター(心療内科)
岐阜県岐阜市野一色4丁目6-1
058-246-1111
◆岐阜赤十字病院(精神科)
岐阜県岐阜市岩倉町3丁目36
058-231-2266
◆岐阜南病院(精神科,心療内科)
岐阜県岐阜市柳津町高桑5-91
058-279-1155
うつ病に対する鍼灸治療
うつ病の状態が悪い時には病院の治療を優先することが重要です。状態がやや上向いてきたときには 病院以外の方法を考えることで、少しでも早く良い状態に近づいたり、お薬の量を減らしていくことに繋がります。 鍼灸治療は伝統医学の中でも有効率が高く国家資格にもなっています。うつ病に対しても経過のよい症例が出ていますので、選択肢の一つに加えて頂ければと思います。
「ウコン」から学ぶうつ病に対する考え方
東洋医学の文献には様々なうつ病に対する記述が残されています。 よく取り上げられるのは、漢方食材の「ウコン」の話です。 中国の書物ではウコンは漢字で書くと、「鬱金(うこん)」と書きます。 「鬱(うつ)」に「金(一番いい)」という意味があると伝えられます。 また、鬱は「肝鬱(かんうつ)」と呼ばれ、肝臓の調子を崩すと鬱になりやすいと考えます。 肝臓は中国医学では、「気を巡らせる」という働きを持っています。 肝臓の調子を整え、気を巡らせる機能が活発になれば、鬱が改善していくということです。 ウコンは肝臓の調子を整え、気が全身を巡りやすい状態に整えます。それで鬱を改善する良薬という意味合いで、「鬱に金=鬱金」と書きます。
気を巡らせるツボ「太衝」
鍼灸のツボでも肝臓のツボ・経絡を中心に治療をすすめていきます。 最もその作用が強いのは、「太衝(たいしょう)」という足の甲にあるツボです。 特に太衝は脇腹をゆるめて、肋骨と横隔膜をゆるめ、ゆったりと呼吸がしやすくなる作用があります。 気が巡らず”鬱々(うつうつ)”とした状態に、気を巡らせ呼吸をゆったりと行い、脳のリラックスに導きます。
自律神経を調整するツボ「内関」
他にも、うつ病のツボで有名なのは「内関(ないかん)」です。 これは自律神経失調症に最もよく使われるツボで、リラックス効果が高いツボです。 よく知られているのは、バスの乗り物酔いや胃腸の不快感に使います。 また、パニック障害の際に、満員電車に乗れないという症状に対しても、内関にツボのシールを貼り、刺激し続けていると、 落ち着くことができるという体験談も多くあります。
ツボの選び方
他にも、患者さんの状態に応じてツボを使い分けていきます。 脈をみる「脈診」、舌をみる「舌診」、お腹をみる「腹診」などで状態を判断しますが、西洋医学とは違う角度からの診断ですので、 西洋医学で行き詰っている場合には、新たな光明がみえてくることも多々あります。 内服薬に比べ、副作用もわずかですので、お困りの際にはぜひ鍼灸治療を試してみてください。